見えなくなるものづくり〜価値観の均一化が招くデザインの罠〜 第3話 2025.05.31 BLOG 職人の声が消えるとき 〜均一化の先にある孤立〜 「やっぱり、やりづらいんだよね」長年工房で腕を振るってきた職人が、ぽつりとこぼした言葉。新しい縫製仕様に対する、現場からの小さな悲鳴。それは、設計段階では“合理化”として正しく見えたものだったかもしれません。しかし、その変化が職人たちの手の感覚を崩し、リズム... 詳しくはこちら
見えなくなるものづくり〜価値観の均一化が招くデザインの罠〜 第2話 2025.05.30 BLOG 会議室で失われる違和感 〜経営層に忍び寄る沈黙〜 「このデザイン、少し違うかもしれない」そう思ったとしても、それを言い出す人はいない。特に会議室では、空気がすでに答えを決めているような気がする。経営陣が何年も積み重ねた経験。「前と同じ」が安心感をもたらし、「無難」が選ばれる場面が増えてきます。 若手スタッ... 詳しくはこちら
見えなくなるものづくり〜価値観の均一化が招くデザインの罠〜 第1話 2025.05.29 BLOG 揃いすぎた視線 〜なぜデザインが似てくるのか〜 「どこかで見たような気がする」 そう感じる鞄が、工房の棚に並んでいたことに気づいたのは、数年前のことでした。 60年以上の歴史を持つ大関鞄工房。私たちは“自分たちらしさ”を大切にしてきたはずでした。 それでも、素材・縫製・判断基準が似てくると、完成するも... 詳しくはこちら
未来を創る手 ― 大関鞄工房が描く、これからのものづくり 2025.05.22 BLOG 時代が変われば、ものづくりも進化する。私たちは今、ホテルや百貨店向けのワークショップ、次世代育成の養成講座、デジタル発信など、革職人の“未来”を形にしていけないか挑戦中です。ただし、どんなに変わっても変えないものがあります。それは「人の手で、心を込めて仕立てる」という姿勢。“技術”と“想い”を次へとつなぐために。これ... 詳しくはこちら
革新と信念 ― Squeezeに込めた“つながり”のかたち 2025.05.21 BLOG 長年続けたOEMから、自社ブランド「Squeeze」へ――それは“顔の見えるものづくり”を目指した、新たな一歩でした。地元・墨田区両国に根ざし、お客様との対話から生まれるバッグ。素材も形も、ひとつずつ違うのが当たり前。私たちは「誰かの暮らしに、本当に寄り添うもの」を届けたいのです。変わりゆく時代に、変わらぬ信念を。S... 詳しくはこちら
誕生と原点 ― 職人の手が紡ぐ、半世紀の物語 2025.05.20 BLOG 東京都墨田区・両国で生まれた大関鞄工房。創業から61年、女性用ハンドバッグのOEM製造を中心に、静かに、誠実に歩んできました。変わるのは時代、変わらないのは「手の技と、素材への敬意」。一針一針に想いを込める――それが、今も変わらぬ私たちの原点です。懐かしい記憶と共に、長く愛される鞄を。そんな想いを込めて、今日もミシン... 詳しくはこちら
芸術としての仕事、仕事としての芸術 — 手を動かす、その奥にあるもの — 2025.05.17 BLOG 「いい仕事してますね」この一言を、職人はどれだけの重みで受け止めてきただろうか。決して派手ではない。飾られた言葉も、華やかな舞台もない。けれど「いい仕事」とは、人の暮らしの中で黙って支え続ける力であり、時を経てもなお評価される静かな“芸術”だと、私たちは思っている。工房の一角には、代々受け継がれてきた金具やミシン、木... 詳しくはこちら
子どもが教えてくれた“自由な創造” — 世界で一つだけのショルダーバッグ — 2025.05.16 BLOG ある夏の日の午後、大関鞄工房で開催された「世界で一つだけのショルダーバッグづくり」のワークショップに、ひとりの小学3年生の男の子がやってきた。最初は少し緊張気味だったが、テーブルに並ぶカラフルな革を見た瞬間、目の色が変わった。「これ、空の色みたい!」彼が選んだのは、明るい青と淡いグレーの革だった。大人ならまず組み合わ... 詳しくはこちら
使い手が完成させるバッグ — 10年後の姿を想像してつくる — 2025.05.15 BLOG ある日、工房にひとりの女性が訪れた。手にしていたのは、10年前に大関鞄工房で購入したショルダーバッグ。深みを増したキャメルの革には艶があり、角には小さな擦れが見られた。けれど、それは劣化ではなく、年月の中で育った“風格”だった。「このバッグ、娘に譲ろうと思って。持ち手の縫い目だけ、少し直してもらえますか?」バッグ... 詳しくはこちら
一針に宿る誇り — 縫う、ではなく“結ぶ”という感覚 — 2025.05.14 BLOG 工房にミシンの音が響きはじめるのは、午前10時を少し過ぎたころ。カシャン、カシャンというリズムは、まるで楽器のように整っていて、どこか職人たちの呼吸と連動しているようにも聞こえる。その日、入って2年の若い職人が、ミシンの前で苦戦していた。革が針に食い込み、糸が均等に走らない。焦る気持ちが動作に現れ、余計に目が乱れてい... 詳しくはこちら
革と語る時間 — 革職人が一日で一番静かになる瞬間 — 2025.05.13 BLOG まだ工房に朝の光が差し込む前、誰よりも早く作業台に立つ。無言で一枚の革を広げ、手のひらでそっとなでる。「この革、ちょっと頑固だな」小さくつぶやきながら、光にかざす。毛穴の並び、血筋の流れ、肩のしなり具合。すべてに目を凝らしながら、革が語りかけてくるのを待っている。革は生き物だった。牛として生きてきた時間が、そのまま質... 詳しくはこちら
“一緒に育つ”ものを持ってみる 2025.05.12 BLOG 毎日持ち歩くものって、気がつけば手になじんできませんか?革のバッグや財布には、そんな“育つ楽しみ”があります。たとえば、買ったばかりのバッグは、少し硬かったり、ツヤが控えめだったりする。でも、それを毎日使っていると、自然と手のあとがつき、色が深まり、革がやわらかくなってくる。小さな傷も、雨に濡れた日も、あなたと一緒に... 詳しくはこちら