未来を縫う——若き職人たちとともに 2025.06.14 BLOG 「この仕事、面白いです」ある日、工房に入ったばかりの若い職人がそう言いました。彼の目の前には、縫い目がガタガタになった初めての作品。でもそこには、不器用ななかにも真剣な“探究”の跡が、確かにありました。私たち大関鞄工房は、60年を超える歴史のなかで、さまざまな技術を磨いてきました。けれど、それを未来に手渡せなければ、... 詳しくはこちら
壊れた鞄は語る——修理から学ぶこと 2025.06.13 BLOG ある日、一本の電話が鳴ります。「10年前に買った鞄の持ち手が、少し傷んできて…修理、できますか?」こうして戻ってくる鞄たちは、私たちにとって、もうひとつの“先生”です。仕立てたときには気づかなかったことが、時間を経て見えてくる。縫い目の甘さ、金具の負担、革の伸び方。実際に使われた年月が、私たちの技術のどこが足りなかっ... 詳しくはこちら
ミリ単位の美学——妥協なき仕立ての現場から 2025.06.12 BLOG ミシンの音が響く工房の奥。トントン、と小さな金槌で叩く音。静かだけれど、集中の熱が満ちた空間があります。「もう少し右、0.5ミリ」「この幅、目で合わせられるか?」私たちの仕事は、見た目だけでなく“精度”が命。どんなにデザインが良くても、縫い目がずれていれば、使っていくうちに必ずほころびが出ます。だから妥協はしません。... 詳しくはこちら
革と語る——素材と向き合うということ 2025.06.11 BLOG 一日の始まり。まず私たちが向き合うのは、今日使う一枚の革です。広げた瞬間に伝わってくる、温度、質感、色合い、そして“表情”。革は天然素材です。同じものは一つとしてなく、季節や育った環境によって個性があります。シワの入り方、毛穴の開き具合、小さな傷——それぞれがその革の「履歴書」のようなもの。だから、私たちはただ裁断す... 詳しくはこちら
始まりの道具箱——受け継がれた技術の原点 2025.06.10 BLOG 工房の片隅に、ひとつの古い木箱があります。針、革包丁、金尺、目打ち、糸切り鋏…。どれも使い込まれ、道具というより、まるで職人の手の記憶を宿しているようです。この道具箱は、初代が工房を立ち上げたときから使っていたもの。今から60年以上前、ものづくりの現場が効率重視へと向かっていた時代に、私たちの工房はあえて「手作り」に... 詳しくはこちら
革と暮らすという、選択 2025.06.07 BLOG たとえば、毎日使っているバッグの持ち手に、少しだけ深まった色の跡。あるいは財布の角に浮かび上がってきた、使い手だけの艶。そういう小さな変化が、私たちはたまらなく好きです。新品のときよりも、日々の暮らしの中で育っていく革製品。時間とともに味わいが深まり、持ち主の生活そのものが映し出されていきます。「買った時より、今のほ... 詳しくはこちら
季節をめぐるメンテナンス術 2025.06.06 BLOG 革製品と長く付き合うために、季節ごとのメンテナンスはとても大切です。特に湿気の多い6月は、ひと工夫でコンディションがぐっと保たれます。大関鞄工房では、お客さまからこんなご質問をよくいただきます「オイルはどのくらい塗ればいいの?」「カビを防ぐにはどうすれば?」「濡れたときの正しい乾かし方は?」そこで今日は、梅雨時期のケ... 詳しくはこちら
雨の日のバッグ選び 2025.06.05 BLOG 雨が続く季節、バッグ選びに迷う方も多いのではないでしょうか。革製品は水に弱い…そんなイメージを持たれることもありますが、素材や作り方を選べば、梅雨の季節も快適にお使いいただけます。たとえば、大関鞄工房で人気の“しなやかな型押し革”。表面に加工を施してあるので、多少の水分にも強く、雨の日でも気兼ねなくお使いいただけるシ... 詳しくはこちら
道具とともに働く日常 2025.06.04 BLOG 革をカタチにする日々の中で、私たちが何より大切にしているのが「道具」です。 大関鞄工房では、革包丁、木づち、へり落とし、ヘコベラ、古くからの型紙── どれも何十年と手に馴染んだ、相棒のような存在です。 使い込むほどに、刃の角度や握りの感覚が手の一部になっていく。 同じ道具を、毎日少しずつ手入れしながら使い続けるこ... 詳しくはこちら
雨と革と、6月の始まりに 2025.06.03 BLOG 6月が始まりましたね。 東京・両国の工房も、今朝はしっとりとした空気です。 梅雨の季節、実は革製品にとってはちょっと注意が必要な時期。 でも、ちゃんと手をかければ、革は雨の季節とも上手につきあえます。 たとえばこんなふうに: ・濡れたら、すぐにやわらかい布で軽く拭く ・乾かすときは、陰干しでゆっくり ・お気に... 詳しくはこちら
見えなくなるものづくり〜価値観の均一化が招くデザインの罠〜 第5話 2025.06.02 BLOG “個”が生きるものづくりへ 〜未来の大関鞄工房のために〜 統一感は安心をもたらす。けれど、それが“思考停止”に変わることもある。私たちはそのことに、ようやく向き合いはじめました。今、大関鞄工房は“個”の力を信じています。ベテラン職人の手の感覚、若手スタッフの感性、お客様の声。それぞれの「違い」を認め合い、... 詳しくはこちら
見えなくなるものづくり〜価値観の均一化が招くデザインの罠〜 第4話 2025.06.01 BLOG ズレが希望になる瞬間 〜違和感のあるデザインを採用した日〜 若手スタッフが出した一枚のデザイン画。従来の「うちらしさ」から少し外れた、色も形も“ズレた”提案でした。でも、そこに新しい息吹を感じました。会議でも異論は出ましたが、それこそが久々に聞こえた“生きた議論”だったのです。商品化されたその鞄は、お客様... 詳しくはこちら