始まりの道具箱——受け継がれた技術の原点
工房の片隅に、ひとつの古い木箱があります。針、革包丁、金尺、目打ち、糸切り鋏…。どれも使い込まれ、道具というより、まるで職人の手の記憶を宿しているようです。この道具箱は、初代が工房を立ち上げたときか...
工房の片隅に、ひとつの古い木箱があります。針、革包丁、金尺、目打ち、糸切り鋏…。どれも使い込まれ、道具というより、まるで職人の手の記憶を宿しているようです。この道具箱は、初代が工房を立ち上げたときか...
たとえば、毎日使っているバッグの持ち手に、少しだけ深まった色の跡。あるいは財布の角に浮かび上がってきた、使い手だけの艶。そういう小さな変化が、私たちはたまらなく好きです。新品のときよりも、日々の暮ら...
革製品と長く付き合うために、季節ごとのメンテナンスはとても大切です。特に湿気の多い6月は、ひと工夫でコンディションがぐっと保たれます。大関鞄工房では、お客さまからこんなご質問をよくいただきます「オイ...
雨が続く季節、バッグ選びに迷う方も多いのではないでしょうか。革製品は水に弱い…そんなイメージを持たれることもありますが、素材や作り方を選べば、梅雨の季節も快適にお使いいただけます。たとえば、大関鞄工...
革をカタチにする日々の中で、私たちが何より大切にしているのが「道具」です。 大関鞄工房では、革包丁、木づち、へり落とし、ヘコベラ、古くからの型紙── どれも何十年と手に馴染んだ、相棒のような存在です...
6月が始まりましたね。 東京・両国の工房も、今朝はしっとりとした空気です。 梅雨の季節、実は革製品にとってはちょっと注意が必要な時期。 でも、ちゃんと手をかければ、革は雨の季節とも上手につきあえ...
“個”が生きるものづくりへ 〜未来の大関鞄工房のために〜 統一感は安心をもたらす。けれど、それが“思考停止”に変わることもある。私たちはそのことに、ようやく向き合いはじめました。今、大関...
ズレが希望になる瞬間 〜違和感のあるデザインを採用した日〜 若手スタッフが出した一枚のデザイン画。従来の「うちらしさ」から少し外れた、色も形も“ズレた”提案でした。でも、そこに新しい息吹...
職人の声が消えるとき 〜均一化の先にある孤立〜 「やっぱり、やりづらいんだよね」長年工房で腕を振るってきた職人が、ぽつりとこぼした言葉。新しい縫製仕様に対する、現場からの小さな悲鳴。それ...
会議室で失われる違和感 〜経営層に忍び寄る沈黙〜 「このデザイン、少し違うかもしれない」そう思ったとしても、それを言い出す人はいない。特に会議室では、空気がすでに答えを決めているような気...
揃いすぎた視線 〜なぜデザインが似てくるのか〜 「どこかで見たような気がする」 そう感じる鞄が、工房の棚に並んでいたことに気づいたのは、数年前のことでした。 60年以上の歴史を持つ大...
時代が変われば、ものづくりも進化する。私たちは今、ホテルや百貨店向けのワークショップ、次世代育成の養成講座、デジタル発信など、革職人の“未来”を形にしていけないか挑戦中です。ただし、どんなに変わって...
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