始まりの道具箱——受け継がれた技術の原点 2025.06.10 BLOG 工房の片隅に、ひとつの古い木箱があります。針、革包丁、金尺、目打ち、糸切り鋏…。どれも使い込まれ、道具というより、まるで職人の手の記憶を宿しているようです。この道具箱は、初代が工房を立ち上げたときから使っていたもの。今から60年以上前、ものづくりの現場が効率重視へと向かっていた時代に、私たちの工房はあえて「手作り」に... 詳しくはこちら
革と暮らすという、選択 2025.06.07 BLOG たとえば、毎日使っているバッグの持ち手に、少しだけ深まった色の跡。あるいは財布の角に浮かび上がってきた、使い手だけの艶。そういう小さな変化が、私たちはたまらなく好きです。新品のときよりも、日々の暮らしの中で育っていく革製品。時間とともに味わいが深まり、持ち主の生活そのものが映し出されていきます。「買った時より、今のほ... 詳しくはこちら
季節をめぐるメンテナンス術 2025.06.06 BLOG 革製品と長く付き合うために、季節ごとのメンテナンスはとても大切です。特に湿気の多い6月は、ひと工夫でコンディションがぐっと保たれます。大関鞄工房では、お客さまからこんなご質問をよくいただきます「オイルはどのくらい塗ればいいの?」「カビを防ぐにはどうすれば?」「濡れたときの正しい乾かし方は?」そこで今日は、梅雨時期のケ... 詳しくはこちら
雨の日のバッグ選び 2025.06.05 BLOG 雨が続く季節、バッグ選びに迷う方も多いのではないでしょうか。革製品は水に弱い…そんなイメージを持たれることもありますが、素材や作り方を選べば、梅雨の季節も快適にお使いいただけます。たとえば、大関鞄工房で人気の“しなやかな型押し革”。表面に加工を施してあるので、多少の水分にも強く、雨の日でも気兼ねなくお使いいただけるシ... 詳しくはこちら
道具とともに働く日常 2025.06.04 BLOG 革をカタチにする日々の中で、私たちが何より大切にしているのが「道具」です。 大関鞄工房では、革包丁、木づち、へり落とし、ヘコベラ、古くからの型紙── どれも何十年と手に馴染んだ、相棒のような存在です。 使い込むほどに、刃の角度や握りの感覚が手の一部になっていく。 同じ道具を、毎日少しずつ手入れしながら使い続けるこ... 詳しくはこちら
雨と革と、6月の始まりに 2025.06.03 BLOG 6月が始まりましたね。 東京・両国の工房も、今朝はしっとりとした空気です。 梅雨の季節、実は革製品にとってはちょっと注意が必要な時期。 でも、ちゃんと手をかければ、革は雨の季節とも上手につきあえます。 たとえばこんなふうに: ・濡れたら、すぐにやわらかい布で軽く拭く ・乾かすときは、陰干しでゆっくり ・お気に... 詳しくはこちら
見えなくなるものづくり〜価値観の均一化が招くデザインの罠〜 第5話 2025.06.02 BLOG “個”が生きるものづくりへ 〜未来の大関鞄工房のために〜 統一感は安心をもたらす。けれど、それが“思考停止”に変わることもある。私たちはそのことに、ようやく向き合いはじめました。今、大関鞄工房は“個”の力を信じています。ベテラン職人の手の感覚、若手スタッフの感性、お客様の声。それぞれの「違い」を認め合い、... 詳しくはこちら
見えなくなるものづくり〜価値観の均一化が招くデザインの罠〜 第4話 2025.06.01 BLOG ズレが希望になる瞬間 〜違和感のあるデザインを採用した日〜 若手スタッフが出した一枚のデザイン画。従来の「うちらしさ」から少し外れた、色も形も“ズレた”提案でした。でも、そこに新しい息吹を感じました。会議でも異論は出ましたが、それこそが久々に聞こえた“生きた議論”だったのです。商品化されたその鞄は、お客様... 詳しくはこちら
見えなくなるものづくり〜価値観の均一化が招くデザインの罠〜 第3話 2025.05.31 BLOG 職人の声が消えるとき 〜均一化の先にある孤立〜 「やっぱり、やりづらいんだよね」長年工房で腕を振るってきた職人が、ぽつりとこぼした言葉。新しい縫製仕様に対する、現場からの小さな悲鳴。それは、設計段階では“合理化”として正しく見えたものだったかもしれません。しかし、その変化が職人たちの手の感覚を崩し、リズム... 詳しくはこちら
見えなくなるものづくり〜価値観の均一化が招くデザインの罠〜 第2話 2025.05.30 BLOG 会議室で失われる違和感 〜経営層に忍び寄る沈黙〜 「このデザイン、少し違うかもしれない」そう思ったとしても、それを言い出す人はいない。特に会議室では、空気がすでに答えを決めているような気がする。経営陣が何年も積み重ねた経験。「前と同じ」が安心感をもたらし、「無難」が選ばれる場面が増えてきます。 若手スタッ... 詳しくはこちら
見えなくなるものづくり〜価値観の均一化が招くデザインの罠〜 第1話 2025.05.29 BLOG 揃いすぎた視線 〜なぜデザインが似てくるのか〜 「どこかで見たような気がする」 そう感じる鞄が、工房の棚に並んでいたことに気づいたのは、数年前のことでした。 60年以上の歴史を持つ大関鞄工房。私たちは“自分たちらしさ”を大切にしてきたはずでした。 それでも、素材・縫製・判断基準が似てくると、完成するも... 詳しくはこちら
未来を創る手 ― 大関鞄工房が描く、これからのものづくり 2025.05.22 BLOG 時代が変われば、ものづくりも進化する。私たちは今、ホテルや百貨店向けのワークショップ、次世代育成の養成講座、デジタル発信など、革職人の“未来”を形にしていけないか挑戦中です。ただし、どんなに変わっても変えないものがあります。それは「人の手で、心を込めて仕立てる」という姿勢。“技術”と“想い”を次へとつなぐために。これ... 詳しくはこちら