休暇ブログ4 『連休明けのはじまりは、革の香りから』
ゴールデンウィークが明けた朝、久しぶりに開けた工房の扉から、ふわりと懐かしい香りが流れ出した。
革の匂いだ。ほんの少し甘くて、わずかに土のような渋みもある。これを嗅ぐと「ああ、帰ってきたな」と思う。
足を踏み入れると、静まり返った空間に、革の存在だけがしっかりと残っているのを感じる。
作業台の上には、少し乾いた手触りのタンニンなめしの革。横の棚には、もっちりとしたオイルレザー。
手に触れるたびに、それぞれの個性が語りかけてくる。
「今日はどれを選ぼうか」
そんな問いかけを、自然と自分の中で繰り返していた。
色もまた、革の奥深さのひとつだ。
キャメルは陽だまりのように優しく、ブラックは芯のある強さを感じさせる。
深いグリーンやネイビーは、まるで自然の風景を切り取ったような落ち着きを持っている。
手に取り、光に透かし、指先で撫でる。
革は決して無言ではない。目で、鼻で、手で、時には耳で、そして心で感じるものだ。
工房の中に、まだ誰もいない。
道具たちも静かにしている。けれど、この空間には“作る前のざわめき”が、確かに漂っていた。
まるで、革たちが目を覚まし、今日の一枚が「どんな物語になるのか」と期待しているようだ。
この空気を感じると、連休が終わったことがむしろ嬉しくなる。
またこの場所で、自分の五感すべてを使って「創る」ことができる。
そんな始まりに、心の奥がじんわりとあたたかくなった。
国産ハンドメイドレザーバッグ | Squeeze - スクィーズ
レザーバッグブランドSqueezeでは「物の価値ではなく、そこに込められた職人や人の想いの価値を大切にしていきたい」という考えに基づき、
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