休暇ブログ3 『みにちゃんと歩いた道と、ひとつの持ち手』
ゴールデンウィーク3日目の午後。
静まり返った工房を後にして、愛犬「みにちゃん」と一緒にすみだ川沿いをゆっくりと歩く。
みにちゃんは9歳。ちょっとおてんばだけど、しっかり者の我が家の看板娘だ。
川沿いの道は、連休の穏やかな空気に包まれていて、子どもたちの笑い声がところどころから聞こえてくる。
リードを引きながら、ふと前を見ると、小さな男の子がしゃがみこんで、じっとみにちゃんを見つめていた。
「この子、さわってもいいですか?」
声をかけてきたその子の顔に、見覚えがあった。
思わず「…あれ?君、工房でワークショップに来てたよね?」と声をかけると、パッと表情が明るくなる。
「うん!ぼく、お父さんにプレゼントするショルダーバッグを作ったの!ぜんぶ自分でつくったんだよ!」
と、自慢げに話してくれた。
小さな肩からは、自分用のショルダーバッグがちょこんとかかっている。
(自分用とお父さん用,工房に2度足を運んでくれた子だ)
「みにちゃんも見ていいよ」
と、バッグをそっと地面に置いてみにちゃんに見せる。
みにちゃんは首をかしげながらクンクンと匂いを嗅ぎ、尻尾をふっている。
「ほんとに、自分で作ったんだね」
と伝えると、照れくさそうに「うん、でも先生が優しく教えてくれたから」と言った。
あのときの真剣なまなざしが、こうして日常の中で再び出会えたことが、なんとも嬉しかった。
職人としての技も嬉しいが、こうして“誰かの日常”に、うちの工房が残っていることが、何より励みになる。
「またみにちゃんに会いたいな」
と言いながら男の子は手を振って、小走りで家族のもとに戻っていった。
みにちゃんはというと、ベンチの下でのんびりあくび。
自分はその横で、ふと、工房の時間を思い出す。
誰かの手に、誰かの想いが伝わるようなものづくり。
その原点を、今日もまた、ちいさな出会いが教えてくれた。
国産ハンドメイドレザーバッグ | Squeeze - スクィーズ
レザーバッグブランドSqueezeでは「物の価値ではなく、そこに込められた職人や人の想いの価値を大切にしていきたい」という考えに基づき、
メイドインジャパンにこだわり「バッグを持つ人に信頼と感動を与えたい、そんな商品を世の中に出せたら」という想いで日々勉強中です。
オーダーメイドや革製品の修理もぜひお気軽にご相談ください。
屋号 | 株式会社大関鞄工房 |
---|---|
住所 |
〒130-0021 東京都墨田区緑2-13-5 |
電話番号 | 03-5669-1408 |
営業時間 |
10:00~18:00 定休日:日、祭日 |
代表者名 | 大関 敏幸 (オオゼキ トシユキ) |
info@squeeze.ne.jp |