職人道具のメンテナンス:長く使い続けるために
バッグ職人として40年、道具とともに歩んできました。道具は手の延長とも言える存在。きちんと手入れをすれば、何十年も使い続けられます。今日は、私が実践している道具のメンテナンスについてお話しします。
1.包丁(革包丁)
革を切るための包丁は、切れ味が命。切れ味が鈍ると作業が雑になり、仕上がりにも影響します。
メンテナンス方法
- 研ぎ:毎日使う道具なので、最低でも週に1回は砥石で研ぎます。私は#1000の中砥石で刃を整え、#6000の仕上げ砥石で鋭さを出しています。
- オイルケア:錆を防ぐため、使用後は薄く椿油を塗ります。
- 保管:湿気を避けるため、使わないときは布で包んで収納。
2.ハンマー(木槌・ゴムハンマー)
カシメやホックを打ち込むときに使うハンマー類。
メンテナンス方法
- 木槌:使い込むと先が潰れてくるので、時々紙やすりで削り、形を整える。
- ゴムハンマー:ゴム部分が劣化したら交換。汚れはアルコールで拭くと綺麗になる。
3.菱目打ち・菱ギリ(手縫い用道具)
革に縫い穴を開ける道具。切れ味が悪くなると穴が綺麗に開かず、縫い目の仕上がりが汚くなります。
メンテナンス方法
- 研ぎ:菱ギリは砥石で定期的に研ぎ、切れ味を保つ。
- 菱目打ちの清掃:目詰まりした革カスは、細い針や歯ブラシで取り除く。
4.ミシン(革用ミシン)
革の縫製には工業用ミシンを使っていますが、これも定期的な手入れが必要。
メンテナンス方法
- 掃除:ミシンの下や送り歯に溜まったホコリや糸くずをエアダスターや刷毛で除去。
- オイル注油:可動部分にはミシンオイルをこまめに差す。特に針棒やボビンケース周りは忘れずに。
- 針の交換:無理に使い続けると縫い目が乱れるので、摩耗したらすぐ交換。
5.定規・ヘラ・その他の道具
小さい道具も大切に扱うことで、仕事の質が変わります。
メンテナンス方法
- 定規:曲がったり傷つくと精度が落ちるので、保管時は立てかけない。
- ヘラ(コバ磨き用):汚れたらサンドペーパーで軽く削って再生。
- ピンセットやペンチ:錆が出る前に油を軽く塗っておく。
道具を大切にすれば、それだけ仕事のクオリティも上がります。職人の技は、手だけでなく道具にも宿るもの。しっかり手入れして、これからも長く付き合っていきたいですね。
国産ハンドメイドレザーバッグ | Squeeze - スクィーズ
レザーバッグブランドSqueezeでは「物の価値ではなく、そこに込められた職人や人の想いの価値を大切にしていきたい」という考えに基づき、
メイドインジャパンにこだわり「バッグを持つ人に信頼と感動を与えたい、そんな商品を世の中に出せたら」という想いで日々勉強中です。
オーダーメイドや革製品の修理もぜひお気軽にご相談ください。
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